ベリーズ×柔道 青年海外協力隊活動記

青年海外協力隊2017年度1次隊の柔道隊員として中米ベリーズで活動中。ベリーズについて、ベリーズでの柔道について書いていきます。

海外 x 柔道を選んだ理由(協力隊志望動機)

 本日、7/21(金)にベルモパンでの3週間の活動前訓練が終わり、JICA事務所があり、今後拠点ともなるベリーズシティに戻って来ました。
 ベルモパンで学んだベリーズ文化、クレオール語は今後に活かせそうな本当に充実したものでした。また、改めてこちらで内容を紹介させて頂きます。

 ところで、柔道の活動は来週7/24(月)の週から始まる予定でしたが、明日7/22(土)にオレンジウォーク(Orange Walk)という街での練習に参加できることになりました。ベリーズシティから車で1時間くらいに位置する街で、今後は毎週土曜日にこの街に来て活動することになるそうです。

 いよいよ柔道の活動が開始です!
 昨年4月に協力隊への応募を決めてから1年以上、退職してからも7ヶ月経っているので、いよいよかと言う感じです。

 そこで、今回は青年海外協力隊に応募した理由でもある、なぜ海外で柔道を教えたい、紹介したいと思ったのか、また私が感じる海外で柔道をする意義について紹介したいと思います。
 自分の目的を確認する意味でも柔道の活動が始まる前に一度書いておきたいと思っていました。協力隊の応募書類みたいですが(笑)、改めて書きました。

柔道を知ってもらう意味でも、柔道に興味のない人にも読んで頂ければ嬉しいです。

1.なぜ海外で柔道を教えたいと思ったのか

 私は大学を卒業するまでは日本でしか柔道をしていませんでしたが、大学院1年の時に1年間ハンガリーにインターンシップに行きました。それは柔道は関係のない企業研修プログラムでしたが、仕事後や休日は色々な柔道クラブで柔道の稽古や指導をさせてもらいました。その時に柔道を通して多くの人と出会い、色々な考え方や価値観に出会うことができました。学生時代には人間関係に悩んだこともありましたが、色々な考え方があり、正解は一つではないということを体感することで自分の視野が広がり、また、自分自身を以前よりも肯定できるようになったと感じています。 そしてこの経験から、海外で柔道を教える、もしくは紹介するということは大きな意義があると感じました。その後、大学院卒業後にも数ヶ月間ハンガリーで柔道のコーチをさせてもらいましたが、改めてそれを実感しました。

これらを通して、第一線で活躍した選手や指導者ではない、いわゆる私のような市民柔道家でも、この柔道の持つ意義から、誰かの役に立ったり、その国や日本に貢献することもできるのではないかと思っています。これが私が海外で柔道を教えたい、紹介したいと思った理由です。
私は海外での柔道の意義を以下のように感じています。また、私が感じている課題と対応策も併記します。


2.私が感じる海外で柔道をする意義について(個人の意見です)

柔道の競技としての面白さ

  • 投げ技に迫力がある、投げたり投げられたりするのが楽しい
  • 寝技では、相手を制するということを突き詰めていて緊迫感がある
  • 自分の特性(身体的特徴、パワー、スピード、技術)と相手の特性を考えた駆け引きがある  「自分の強みを活かし、相手の弱点を突く」
  • 個人競技なので「成功も失敗も全て自分の責任」

体育面

  • 受け身を覚えることで、日常生活や、他のスポーツでの転倒時の怪我防止になる
  • 柔道の畳(もしくはマット)と柔道着があれば、大人数が一度に稽古できる
  • 柔道を始めるには柔道着があれば始められるので経済的
  • 柔道には「動きの少ない稽古(礼法や技術の細部を意識した練習など)」と「動きの多い稽古(乱取りなどの自由練習など)」があるが、特に「動きの少ない稽古」を通じて、落ち着きや細部への意識が養われる
  • 柔道の「動きの多い稽古」では全身が鍛えられ、バランス感覚も養われる→健康増進になる


コミュニケーション面

  • 1対1、しかも近距離で相手と向き合うので、稽古相手と仲良くなれる
  • 戦っている時は「相手の嫌がること」を探し、戦っていない時は「相手の好むこと(敬意を示す)」を大切にしているので、相手のことを思いやる稽古にもなる(なかなか難しいですが…)
  • 柔道を一緒にやると、相手のこと、そして相手の国のことを嫌いになることが難しくなる


日本に親近感を持ってもらうきっかけ

  • 日本人以外にとっては、柔道で使われている言葉や礼法を通して、日本人の文化や習慣を知ってもらうきっかけになる
  • 柔道を通して自然と柔道発祥国である「日本」への親近感が生まれる
  • 柔道を通して日本的な作法に親しみを持つことで、日本人を見た時、または日本人と接する時の抵抗感や違和感が薄くなる
  • 参考動画

     2011年に、ハンガリーのある柔道クラブでコーチした際に頂いた動画を紹介します。雰囲気が伝わればと思います。このクラブには3週間のみの滞在でした。私は子供達や多くの大人たちにとっては初めて話す日本人だったようですが、とても良くして頂きました。また、子供達からは漢字で名前を書くように頼まれたりと、日本人が行くことで、柔道を通して知った日本に、より興味を持ってもらうきっかけになったのではないかと思っています。彼らは人生のどこかでまた日本人と出会う機会があれば、きっと優しく接するんだと思います。 ※動画後半に出てきている海や街は、ハンガリーではなくクロアチア(合宿)です。
    ※動画の最後で寝転んだまま話していますが、お腹を壊して寝込んでいたところに飛び込みインタビューされた時のものなのでご容赦下さい。笑


異文化への入り口として

  • 柔道を通して異なる儀礼や考え方に触れることで、「異文化」を意識するきっかけになる

    例えば挨拶の仕方を見ても、柔道のように日本では主にお辞儀であり、欧米では握手やハグ、キスが一般的だと思います。どちらも敬意と親愛を示すことが目的だと思いますが、それぞれ敬意と親愛のバランスや、心理的・物理的距離は違うように感じます。こういった違いを意識することで、自分たちとは異なる文化や習慣を持っている人たちが世の中にいる、そしてどちらも然るべき存在意義があるということを考えてもらうきっかけになると考えています。また、これは自分に合う価値観を意識するきっかけにもなるのではないかと思います。

柔道の課題と対応策

  • 身体接触が嫌な人も多い→受け身だけでも意味がある
  • 「痛い」「怪我をする」というイメージが強い→「形(決められた動きを通して柔道を学ぶ稽古)」から始めてみる、ゆっくり始める
  • 野蛮、粗野、頭が悪そうなイメージを持つ人もいる→実際に稽古をして知ってもらう、柔道愛好家として日々そう思われないように心がける

3.まとめ

 上記のように、私は海外での柔道に大きな意義を感じています。
 当然ですが、色々な理由から柔道よりも別なことを好きになる人も沢山いると思いますし、柔道以外からでも上に書いたことは実現できるはずです。
 ただ、私のように柔道が「しっくり来る」人もベリーズにも沢山いると思いますし、こういう物があるということを知ってもらうだけでもいいと思っています。
 ボランティアとして、ベリーズで柔道が普及するためにできることをしたいと思います。

まずは明日、無茶せず怪我や事故に気をつけて行って来ます。

それでは。