ベリーズ×柔道 青年海外協力隊活動記

青年海外協力隊2017年度1次隊の柔道隊員として中米ベリーズで活動中。ベリーズについて、ベリーズでの柔道について書いていきます。

柔道の人種ごとの特徴と私の戦い方

今回は柔道をしていて感じる人種や民族ごとの身体的な違いと、それに対して私が戦い方で心がけていることについて書きました。

1.背景

 これまで柔道をしてきて、個人個人で骨格や筋肉の付き方が全然違うということを肌で感じてきました。 また、それに応じて技の掛け方や崩し方を工夫する必要性も感じています。今ベリーズで柔道を教えていても、ベリーズにはたくさんの人種・民族が共生しているので、子供、大人に関わらずそう言った違いを感じることはとても多いです。もちろん日本人同士でも骨格や筋肉のつき方は大きく違いますが、人種ごとの違いは非常に大きいというのが、これまでハンガリーやベリーズで柔道をしていて感じることです。そういった中で、それぞれの特徴の違いを活かして自分の柔道を磨くというのも、柔道愛好家の楽しみの一つだと思っています。

そこで今回は、大変抽象的、主観的、感覚的かつ大雑把ではありますが、現時点で私が相手の人種ごとに心がけている戦い方について書きます。

この記事は、私の中途半端な柔道経験に基づいている主観です。これまで一緒に練習していた人たちが、外国人の方が稽古にいらした時にでもここに書いてあることを試してくれたら嬉しいなと思って書いています。

2.前提条件

個人差は大きい

 当然ですが、同じ日本人でも骨格や筋肉の付き方は千差万別であるように、同じ人種なら同じ特徴というわけではないです。ただ傾向はあるように思います。

海外の方との柔道経験

 ハンガリーに住んでいた時の1年半では、ハンガリー人をはじめヨーロッパの色々な選手と練習をしました。また、現在住んでいるベリーズではクレオール(アフリカ系黒人と欧州系白人の混血)、メスティーソ(マヤ人と欧州系白人の混血)と呼ばれる人達と稽古することが多いです。それ以外では、イギリス、インドネシアのクラブで稽古したことがあるのと、日本で色々な国の方と稽古しました。

人種などの分類は大まか

 人種分類などの専門的なことは詳しくないのでよくわからない、交配が進んでいて厳密な人種分類そのものができないなど細かく考えると難しいので、とても乱暴な分け方になっています。

遺伝的要因と環境要因を分けるのは難しい

 遺伝要因と環境要因を分けるのはとても難しいですが、以下で書いている内容は子供たちに指導していても感じるので、遺伝要因も大きいと感じています。

3.それぞれの特徴

 今回は、ヨーロッパ系(コーカソイド)とベリーズのクレオール(ネグロイドとコーカソイドの混血だが、明らかにネグロイドの身体的特徴が強く出ている)について書いてみます。 こういった人たちに私(日本人)がどういう柔道を心がけているのかを書いているので、これらの民族と比較した時に感じた日本人の特徴を先に書きます。

日本人(東アジア人)

柔道で感じる身体的特徴

  • 比較的上半身より下半身の方が大きい
  • 骨盤は狭め、他民族より骨盤がやや後傾気味?
  • 体を捻る、回転する動作が得意
  • 手足の指先や手足首などの末端制御が速くて正確

私の戦い方

 末端制御が得意だと思います。小さな子供に教える時にも「気をつけ」や受け身の手足の使い方の飲み込みは早いと、日本で指導しているときも、ベリーズで台湾の子供に教えているときも感じました(これは幼児教育も大いに関係あると思いますが)。大人同士で柔道しているときは、手足が細かく動くのでそのブロックを外すのは難しいですが、他の人種と比べると腰は軽めなので、例えば内股では真上に抜き上げるようにかけてもかかることも多いとは感じます。相手の手首の動きをうまく制御できれば有利に戦えるような気がします。組み合った状態で「適当に」横に動いたり体を入れ替えて捌いても、あまり効果がないと感じます。「他民族よりも骨盤がやや後傾気味?」と書いたのは、なんとなく重心が他民族よりもちょっとだけ背中側にあるような気がするからです。また、崩す時には骨盤の動きよりも首や肩を崩すようなイメージになると思います。

ヨーロッパ系(コーカソイド)

柔道で感じる身体的特徴

  • 比較的下半身よりも上半身のほうが大きい
  • 骨盤が横に広い、骨盤が立っている
  • 骨盤から背中にかけて太い芯があるようなイメージで軸がしっかりしている(腰が重い)

私の戦い方

 とにかく腰が重い気がします。そのため、日本人同士で稽古する時には自分より少し重いくらいの相手まではそのまま真上に抜き上げるように内股をかけてもかかったりしますが、ヨーロッパの方と稽古する時には相手の骨盤を捻るか前傾させるように崩さないとかからないことが多いです。近距離での技の掛け合いは基本的に敵わないので避けるようにしていました。ただ、組み合った状態で「適当に」横に動いたり体を入れ替えて捌いても、相手のバランスを崩せることが多くありました。これは力の入れ方もありますが、骨盤の広さも関係があるような気がします。できるだけ相手の骨盤を動かしたり捻りながら技を入るようにしています。あとは低めの一本背負いはかかりやすい気がしていて、これは骨盤の広さと大いに関係があると思います。私は、釣手はとりあえず低くてもいいので、とにかく両手で組んで距離を取りながら「うにょうにょ」動いて相手の骨盤を動かして戦うようにし、たまに低い一本背負いに入るようにしていました。

クレオール(≒ネグロイドの身体的特徴が強い)

柔道で感じる身体的特徴

  • 手足が長い
  • 骨盤が丸い、やや前傾気味
  • 左右の太ももからお腹にかけて2本の太くて強いゴムのような筋肉(腸腰筋?)があるような感じ

私の戦い方

 全体的に前傾姿勢の人が多い気がします。小内刈は工夫しないとかかりにくいと思います。なんとなくですが、太ももからお腹にかけての筋肉(腸腰筋?)メインで攻撃も防御も体を動かしている印象があります。いわゆるバネがあるっていうのはその通りなのかなと思います。普通の前転後転もやったことがない小学生でも簡単にバク転を決めたりします。手足が長いので懐も深いです。ただ、なんとなくぴょんぴょんしてしまう印象なので、出足払や小外刈などのチャンスは多く、また相手の足を交差させたりもたつかせることができれば投げやすい気がします。大外刈りもかかりやすいと思います。これは自信がないですが、踏ん張る力は他の身体能力に比べると低い気がします。あとは、巴投げなどもかかりやすいのかなと思います。まだクレオールでそこまで強い人と柔道をしたことがないのでわからない部分も多いですが、なるべく太ももからお腹までのゴムのような筋肉を活用させないという戦い方をする必要があると思います。私は押し込む、引き落とすという崩しをしながら出足払、小外刈、大外刈、巴投あたりを使って、たまに担ぎ技を使うようにしています。内股が好きなのでよく使いますが、彼らに対しては効率の良い技ではないような気がします。

所感

 色々書きましたが、色々試して失敗したり成功したりするのが面白いのかなと思います。私の場合はどの技も中途半端なので、相手によってかかる技が全然変わることが多いです。それはそれで相手の特徴を感じられるので楽しんでいます。

ベリーズでは個人個人の身体的・精神的な特徴に応じてどのように指導やアドバイスをしていくべきなのかは難しいですが、柔道の基本は一緒だと思っています。ベリーズで教えている人たちも「守破離」という考え方の通りで、最初は私のやり方も試してもらってその後は自分のやり方に辿り着いてもらえればと思っています。