ベリーズ×柔道 青年海外協力隊活動記

青年海外協力隊2017年度1次隊の柔道隊員として中米ベリーズで活動中。ベリーズについて、ベリーズでの柔道について書いていきます。

昇級審査での気づき・反省と稽古内容の変更

 少し前ですが、2月に、私がベリーズに来てから初めての昇級審査を実施しました。 前回の昇級審査から数年が経っており、昨年10月に昇級審査項目、ルールを変更してからも初めての審査でした。 また、昇級審査後にこれまでの指導を反省し、稽古内容を変更しました。

1.昇級審査の仕組み

 ベリーズ柔道協会では、6級から1級までがあり、その後に初段などの段位があります。 昇級審査審査項目とルールは私が日本での経験などを元に案を作成し、協会での話し合いの末、最終決定したものです。 簡単に言うと、各級で20程度の項目があり、3つ以上で技術不十分とみなされると不合格になるというものです。 項目の詳細はベリーズ柔道協会のWebsiteにあります。

Kyu Exams - Judo Belize Federation Official Website

最近始めた人は6級から5級まで、経験者や既に級を保有している人はその先まで受験できるという仕組みにしました。

 私は柔道協会ではTechnical directorという立場のため、審査では受験者全員の採点を担当しました。

2.受験者数

 2月10日(土) オレンジウォークタウン(La Inmaculada):小学生37名が受験

 2月18日(日) ベリーズシティ(2つの柔道クラブ):小中学生24名、高校生以上11名

 合計受験者数:72名(延べ119級の審査)

3.気づき・反省点

 今回は、新しいシステムでの初めての試験だったため、過半数の生徒が受験しました。

 初めて審査員をやりましたが、すごい疲れました。ベリーズシティではその直前にゴタゴタがあり、何人かの生徒は私に敵意剥き出しでしたしね。笑

 私は、昇級審査は、審査と昇級による生徒のモチベーションの維持、向上が1番の目的だと思っています。

しかし、今回の審査とその準備を通じて多くの気づきがあり、自身のこれまでの指導を反省しました。

以下、気づきと反省点です。

(1) 思っていたよりも稽古した内容を覚えていない、日本語は全然覚えていない

 今回、審査に向けての練習や審査を通して、稽古した内容をこちらが思っているほど覚えてくれていないと言うことがよく分かりました。

 子供の場合、正座の仕方や立ち方も、毎回の練習前と後に必ず実施し、その都度説明しているのですが、一人でやってもらうと出来ないということが多くありました。 これは審査前に改めて一人ずつ練習することで審査では大体の生徒が守ることができましたが、そもそも稽古にあまり来ていない子もいたり、それでもできない子もいたりと、全員はできませんでした。

 大人でも、思っていたよりも技の内容を覚えていないことが多くありました。

 日本語については更に難しく、例えば毎回の練習で必ず行う「後ろ受身」は日本語でも必ず言っていたのですが、これはいつも練習に来てくれている大人でも覚えておらず、割とショックでした。

(2) 予習、復習はクラブ・生徒によって意識に大きな差がある

 オレンジウォークの小学生は練習は週に1回です。

ベリーズシティの大人や子供も多くても週に2、3回の練習です。

 また、仕事や、家庭、性格上の問題もあり、週に2回以上練習に来る生徒はごく一部です。

昇級審査にあたって、自分で準備ができるように柔道協会のウェブサイトに各審査項目の説明文とビデオを掲載し、確認しておくようにお願いしました。 今教えているほとんどの生徒たちは、経済的に厳しい家庭でも何かしらの方法でインターネットにアクセスできるからです。

 しかし、ベリーズシティの生徒は準備不足が見受けられる生徒も多く、自主的に予習、復習を期待するのは難しいと思いました。

 一方で、オレンジウォークの生徒はよく練習してくれていました。 10歳くらいで、体が大きく前転のできない男の子がいたのですが、昇級審査の2週間前から毎日家で前転を練習し、審査では見事に前転ができたのを見たときには、とても感激しました。

(3) 昇級に対して強いこだわりがある

 子供も大人も、昇級に対して強いこだわりがあることがわかりました。 大人からは、「柔道を上達することが目的だから、昇級はそれほど重要じゃない」と言われることが多い印象だったので、これまでの稽古内容は昇級審査項目だけでなく、試合などを想定した実践的な内容も含めていたのですが、昇級審査の準備や取り組み方を見て、昇級に強いこだわりがあるということがわかりました。

4.昇級審査後の稽古の変更内容

 上記の通り、たくさんの気づきと反省があり、これまではとは少し稽古のやり方も変えることにしました。 以下が変更点です。

変更点①技の名前の確認

 これまでは、稽古する技の名前は私が口頭で言って終わりでしたが、生徒に稽古している技の名前を繰り返し言ってもらったり、質問して確認するようにしました。

変更点②1週間で、練習する技は寝技・立ち技1つずつ

 これまでは、時間があれば1回の稽古で2つの技を練習したり、複数のバリエーションを練習していましたが、これでは多くの人が忘れてしまうということがわかりました(稽古した内容をノートに記載してもらうということもお願いしましたが、ベリーズではかなり難しそうです)。

 そこで、少なくとも1週間以上は寝技・立技とも1つの技に絞り、時間をかけて練習することにしました。 1つの技しか練習しなくても、月曜にできるようになっても水曜には忘れているという感じなので、しばらくはこの方法で行こうと思います。

変更点③打ち込み、乱取りの時間を減らす

 これまでも、打ち込み、乱取りの時間は短めのだったのですが、変更①②を行うと打ち込み、乱取りの時間はこれまで以上に確保が難しくなったので、 配分を減らすことにしました。

変更点④稽古時間内で筋トレはしない

 これも理由は③と同じです。

 大人については、稽古時間内には腕立て伏せやスクワットなどの筋力トレーニングは行わないことにしました(これまでは稽古の最後に5−10分程度行ってました)。

これは、「強くなる」というよりは「上手くなって昇級する」というモチベーションの人が多そうだからです。

 私自身は稽古後に一人で軽くトレーニングしているので、もし「強くなりたい」という人がいれば残って一緒に稽古やトレーニングをすれば良いと思っています。

現状では自主的に残って練習する人はほぼいませんが、たまに残って少し稽古する人もいるので、しばらくはこのやり方を続けるつもりです。

5. 最近の様子

 今回の変更で、稽古のペースはこれまで以上に遅くなりました。 しかし、彼らの目的や体力・技術レベルを考えて稽古内容を考えると、日本と同じようには出来ないのは仕方ないのかなと思っています。

とりあえず、最近は平和に活動できています。このまま帰国まで穏やかにいきたいです。

それではまた。